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ウクライナ侵攻での歯科治療の影響

  • koitabashishika
  • 2022年3月8日
  • 読了時間: 2分

更新日:2022年3月9日

 2022年3月8日現在ロシアがウクライナに侵攻しており、そのあたりでは戦争状態が続いているようです。

 他のところでもニュースになっているのでご存じかもしれませんが、歯科治療に影響が出始めています。


 保険の治療の銀歯と呼ばれるものはパラジウムを含んだ合金が多く使用されております。そのパラジウムの相当量がウクライナから産出されていおり、今回の戦争の影響で需給の逼迫が予想されております。

 需給の影響により価格自体もものすごい勢いで高騰しています。ただ保険の制度上は患者さんの負担額への反映にタイムラグがあるため、即座に銀歯の治療費が上がると言うことはございません。

 しかし、健康保険での患者負担額は遅れて反映されるため、数か月後のもしかしたら戦争が落ち着いているようなタイミングで反映されて大きく負担額が上がるかもしれません。


 金額よりも深刻なのは、そもそもパラジウム合金が手に入らないのが現実になっているということです。歯科材料の卸売業を一見した時点ではどこも品切れです。新たな入荷がない限りは在庫限りでパラジウム合金は作れなくなります。

 当院では以前よりパラジウム合金の使用を可及的に減らす努力をしており、使う症例は減少しています。しかしそれでも保険内でのブリッジやかみ合わせが強い人の詰め物・被せ物にはパラジウム合金を治療では使わざるを得ない状況です。

 そのためブリッジや冠や詰め物を作る際に、完成品の治療が延期されたり、その症例でベストな選択ではないことを承知で白い詰め物や金属として柔らかく変色しやすい銀合金を使用しなければならないという状況になるかもしれません。


 そもそもパラジウム合金は治療技術的に歯科治療に必須なものではありません。保険制度上それ以外の材料の適応がまともにないから使用しているだけに過ぎず、保険制度が変わりさえすればパラジウムを使用しなくてもすべての治療を行うことは可能です。

 パラジウムは以前の記事でも書いたように排ガスの浄化のための触媒として工業的に重要な金属であり、需給が逼迫した中で技術的には必須とは言えない歯科界が取り合いに参加することが適切とも言えません。


 そんな心苦しい状況ではありますがより良い治療を行えるよう工夫を行っておりますので今後ともどうかよろしくお願いします。



 大利根小板橋歯科医院 歯科医師 小板橋敦

 


 
 
 

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