2022/04/01からは保険内の歯科治療が多少新しくなる部分があり、ある程度その態勢が整ってきましたのでご報告します。
まず、型取りをして作る詰め物として歯と同じ白い色で詰められる選択肢として保険内で作れるCAD/CAMインレーというものが使えるようになります。
今までもレジンインレーという白い詰め物が使えましたが強度が弱いという欠点がありました。CAD/CAMインレーも金属ほどの強度はありませんが、レジンインレーよりは強度が期待できると思います。
物としては保険外治療でハイブリッドセラミックスと言われる材料がありましたが、それと近い物というイメージで良さそうです。
前回も述べたパラジウムに関してですが、少なくとも最近は入手不可能という状況ではなくなってきました。価格の急上昇による駆け込み需要での品薄がメインであって、長期的に入手できないという状態ではないというイメージです。
ただしこの記事を書いている現在でも戦況が混沌としており、長期的な入手性は安心できない状況です。
当院では治療内容が戦況などに左右されづらい状態を作れるように、引き続きパラジウムの使用は代替できる物がない症例のみの使用を心がけていきたいと存じます。
4/1からマイナンバーカードで保険証の提示をできるようにする機能がより推進されることになりました。具体的に言えば医療機関側がマイナンバー保険証を利用し、医療情報を治療に活かした場合に報酬が加算されます。
そのため今は少数となっているマイナンバー保険証を受け付ける医療機関が徐々に増えることが予想されます。
当院でも本格稼働する準備は進めていますが、現状の制度のままであれば、あまり積極的に活用することはないだろうという状態です。
その理由としましては、患者さんの立場からすると、マイナンバーの保険証機能付加の面倒な手続きをした上で、受診の際にマイナンバーカードを使うと通常の保険証よりも窓口負担が5〜20円高くなってしまうからです。患者側からすればデメリットばかりが目立つ制度となっています。
医療機関が収入が増えて儲かるかというと、マイナンバー保険証を利用するためのオンラインシステムの利用料が高く、正直なところ診療報酬の増加だけではカバーしきれない赤字のシステムなので、医療機関側としてもデメリットの方が大きい制度です。
つまり患者さんや医療機関が損をしてオンラインシステム業者が得をするだけの構図となっており、これではなかなか浸透しないだろうなというイメージにはなってしまいます。
ただ、マイナンバー保険証を活用すると他院でどのような薬を出されているかを参照することができたりと、よりよい治療に活用できそうではあります。今後もっと患者さんや医療機関にも恩恵が多くなるよう改善されていくことを期待して準備は進めているというのが当院のスタンスです。
そのため当院ではマイナンバー保険証は当面の間は利用できません。
大利根小板橋歯科医院 小板橋 敦
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