top of page
検索
koitabashishika

歯生え薬の開発が開始されたというニュース

京都大学発のベンチャー企業が先天性無歯症の患者さんの治療薬として歯は生える薬を開発しているというニュースを見ました。


歯が生えるというのは画期的で歯科医師としても興味深いです。歯が無くなった場合に現在の医療では完全に元通りに戻すことができません。

それに歯が完全に無くなっていない場合だとしても、むし歯や歯周病などで大きく損傷してしまった歯の治療というのは、厳しい状態ながらもどうにか使えるようにするという治療になってしまうので、新しい天然歯に容易に交換できる技術があれば治療の考え方が劇的に変わります。


ただ今回開発中の薬は一般的に歯が無くなってしまった、悪くしてしまった人に使える薬にはならなそうです。

先天性無歯症の患者さんは歯の元となる組織が歯の完成品を作りきるまで正常に発育できないことによって歯がちゃんと生えないことによって起こる症状のようです。それを使える歯として完成させるよう誘導させるのが開発中の薬の狙いのようです。

そのため全ての歯が正常に作られた方の歯がなくなった場合には、歯を作る組織が基本的に残っていないので誘導させる対象がありません。広く多くの患者さんの歯を生やすための薬ではないようです。


20年くらい前は世間では再生治療の時代だ!と言われてはいましたが、なかなかそう簡単に実用レベルまで引き上げることは難しいようです。


とはいえ今後そういった薬が開発される可能性もないとは言えないので、画期的な治療は可能な限り取り入れたいと考えてアンテナを張って見守っております。


   大利根小板橋歯科医院 歯科医師 小板橋 敦

閲覧数:7回0件のコメント

最新記事

すべて表示

抗生剤が入荷できなくなっています。

一部の国内製薬会社の工場が製造停止した影響でセフェム系の抗生剤(抗菌薬、抗生物質)が入手困難になっています。この抗生剤は最も使用頻度の高い系統で、歯科でも第一選択としてこの系統が用いられています。 現在当院では院内処方用に多少の在庫は確保しておりますが、使用頻度の高い薬剤の...

6月から保険の治療がまた少し変わります

2年に一度保険治療の内容の改定が行われるのですが、今年が変わる年になります。 今までは4月に変更になるのですが、3月下旬に変更内容が発表されて4月1日から始まるという従来のスケジュールがあまりに余裕がないためか、今年から6月1日から変更が適応となるようです。...

PEEK冠という新しい白い被せ物が保険適応になりました。

今まで保険で作れる白い被せ物は5番目の歯までで、6番目は条件付きで適応でした。 そのため奥歯の治療は金属を使う症例もまだまだ多いのが実情です。 ただニュースとしてどの奥歯でも奥歯に制限なく使うことのできる保険の白い被せ物が認可されました。...

Comments


bottom of page